スタノゾロール、経口剤のアナボリックステロイドである。商品名としてはウィンストール(主にアメリカ)、ストランバ(主にヨーロッパ)で流通している。日本でも製造販売されており入手が容易なステロイドである 。 スタノゾロールは1988年のソウルオリンピックでベン・ジョンソンがドーピングチェックで引っかかり、金メダルを剥奪されたことで有名なステロイドである。またボディービルでは1990年のアーノルドクラッシック、ミスター・オリンピアで導入されたドーピングチェックで失格になった選手、ショーン・レイ、ペリー・ドメイ等からも検出されている。また日本でも第2回JPCナショナルズコンテストで優勝者から検出されている。(M選手は失格となり、上沢選手が優勝した)またJBBFのドラッグテストの失格者からも数多く検出されている。スタノゾロールは数多くボディービルのみならず、他のスポーツでも登場しているが効果の程は賛否両論である。ステロイドグル、ダン氏によれば 「スタノゾロールをどんな風に使っても効果はない」。と酷評している。一方、「適切な量を取れば効果があり、効果がないのは量が少なすぎるから。」との意見もある。実際、ショーン・レイやベリー・ドメイが使っていたのだから効果はありそうだが。
スタノゾロールはアナボリック作用が強くアンドロゲニック作用がほとんどない。このためアロマタイズすることがなく、女性化乳房や睾丸の機能低下を起こすことがなく数少ない女性が使えるステロイドである。日本でも蛋白同化剤と分類されておりアナボリック効果は非常に高そうだ。
しかし率直にいえばスタノゾロールを過大評価することはできない。むしろ筋量アップには効果は少ないと思う。先に示したようにコンテストのドーピングチェックでアウトになった選手はなにも常日頃筋量アップのために使用していたわけではないのである。かつてはスタノゾロールは脂肪減少に効果があると信じられていた。(同様にプリモボランもである)このためにコンテストの準備に頻繁に使われていた。しかしそもそもステロイドに脂肪を燃やす効果はなく、あくまでもそれは適切なダイエットによるもである。また現在のように脂肪減少効果のある成長ホルモンや甲状腺ホルモンを使うことがなかったのでビルダーが好んでコンテスト前に使用していたと思われる。
スタノゾロールは注射剤もある。ただし水溶性のタイプに限られる。作用のほうは経口剤と同様であるが直接肝臓に入らないため、体には幾分やさしい。人間用のものは少なくほとんどが獣医用のドラッグである。ソウルでベン・ジョンソンは注射剤のタイプのWinstrol-v(ウィンストロール・プイ)を使用したようだ。
使用量 錠剤15-25mg、注射剤25-5Omg/共に毎日
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