アナボリックステロイド以外の薬物
シンソール、ポージングオイルである。なぜポージングオイルかと思われる人がいるかもしれない。ステロイドサイクル中に肌に塗り光らしてサイズとカットかあるように見せる、と言うのは冗談だ。
ボージングオイルと言うのは建前で実際は、比較的小さな筋肉、カーフ、肩、上腕、ニ筋、 上腕三頭筋に注射し、まるで蜂に刺されたように膨らましてサイズを獲得するために用いるのである。主にコンテストの準備に使用する非常にポピュラーなドラッグである。カーフや二頭筋のピーク、肩の横への張りだしのなさを弱点にしている選手は多い。もともとの筋肉の形や骨格がコンテスト結果を左右するので、ボディービルディディングも他のスポーツ同様、努力のみではどうにもならない側面もあるのは事実である。チャンピオンでさえ弱点があり克服に全力を注いでいる場合が多い。
例えば、アーノルドは前腕、カーフが弱点であったのは有名であろう。またドリアンは巨大な腕をしていたが、二頭筋のピークがわずかで美しさに欠けていた。また日本チャンピオンの小沼氏は腕の細さが弱点である。弱点部位のトレーニングをほとんどしていないというならともかく、真剣に取り組んでも変化がなければそれは筋肉の形や長さが原因であるので抜本的解決はない。ところが弱点部位に何かを注入するのであれば話は別である。実際、プロ選手ではカーフにシリコンを移植したり、弱点部位にシンソールを注入している選手はざらである。少量ならまだしも、調子に乗って多量に注入して異様な形になっている選手もいる。プロビルダーで特に疑わしいというか、明かななのはイギリスのプロビルダー、アーニー・テーラーの三頭筋のサイズと形であろう。最近は注入量を減らしたのかサイズダウンしたようだが、プロになりたての頃は異様な形とサイズをしていた。本人はボディービルマガジンの中で、もともと大きかったと疑惑(事実)を否定している。また雑誌「マッスル ・マグ」では上腕囲70cmのグレッグ・バレンチノなる人物を紹介していた。身長が2m50cm程あれば可能かもしれないが、彼はそれほど高くはない。どんな角度からみても異様な形、また左右の形が違うという明らかにシンソールを大量にぶち込んだのであろう。
シンソールはステロイドと違い、ホルモンバランスを崩すことはないがかといって必ずしも安全とは言えない。もともと注射剤として製薬会社のラインで製造された訳ではないし、注射したものは徐々に体内で分解されるそうだが蓄積せずにきちんと排出されるか非常に怪しいからだ。
プロの選手でもシントールは体にシリコンを埋め込むことと同様に馬鹿げていると述べているものもいる。しかしいくつかのボディービル団体では禁止薬物にリストアップされていないので今後も使用者が減ることはないだろう。
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