テストステロンエナンセート。最もポピュラーでワールドワイドで入手が容易なテストステロンエステルである。テストステロン、男性ホルモンにエナンセートエステルを付けたステロイドである。これにより一度注射すれば2週間は作用が継続する。テストステロンにが様々なエステルが結合したものがある。エステルの違いにより体内の滞留期間が変わってくる。
テストステロンは間違いなくトップアマチュアやプロビルダーが使用しているステロイドであろう。WARでは他のどんなステロイドより最も筋力、筋量アップに適しており、バルクアップの王道と記述されている。 アナボリックステロイドは基本的にはテストステロンをペースにできるだけアンドロゲニック(男性化)作用を削り蛋白同化作用を残したものである。蛋白同化作用がテストステロンより強化された訳ではないのである。また日本語では広義のステロイドを分類する場合、andorogenic steroidを男性ホルモン剤、そしてanabolic steroidを蛋白同化剤としているためになんとなく前者より後者の方が同化=筋量アップには優れている気がするかもしれないが、実際は必ずしも正しくはないのである。
蛋白同化剤とされているデカやプリモポランとテストステロンを比較していただきたい。いわゆる女性用と呼ばれるデカやプリモポランよりテストステロンのほうが一般的に同化作用が強いとされている。しかし作用が強力なあまりに、副作用も強い。それがために人によっては使わない人がいる。副作用を最小限に食い止めるドラッグはあるがデカやプリモとは副作用の強さは比較にならない。
使用量は筋力、筋量アップが目的ならば週に一度500mgは必要であろう。これ以上少なければ、副作用は出るが筋量アップには不十分であろう。もちろん個人差があるのは言うまでもないが、500mgを超えるあたりからいろいろな副作用が顕著になってくる。ニキビ、肌のべたつき、脱毛、性欲の亢進と減退、女性化乳房、などなど。肉体だけではなく精神面でも多幸感や不眠 (睡眠障害)や攻撃的になる傾向がある。
ヘビーユーザー、例えばプロビルダーやトップアマチュアは一1日に1000-2000mg使用するものもいるという。しかもサイクルはノンストップで数年間使用している者もいるらしい。某トップアマチュアは1000mg/weekのテストステロンは最高の筋発達促すると述べている。また某プロも1000mg/week超えるあたりから効果があると述ペている。テストステロンは人によりかなり使用量に幅があり、ひどい人になれば1日に2000-3000mg使うこともあるというからおどろきだ。このMega-dosage (大量投与)は80年代後半に流行していたようだが、当時と今とはステロイドの価格が異なることも重要であろう。80年代後半はテストステロン10ccが10ドル程度で入手できたのに対して現在ではて1アンプル(1cc) しか人手できない。アメリカでは法律で規制される前なのでステロイドディーラーの間で価格競争が激しかったからかもしれない。また80年代後半は成長ホルモンが遺伝子工学の発達のおかげで製造、販売されて間もないため、それこそアスリートに投与するのは国家レベルのプロジェクトでもない限り手が出せなかったのであろう。つまりビルダーとしては他者と差をつける秘密のドラッグの玉切れになったためにステロイドの使用量で差をつけようとしたのだろう。しかし、前に述べているように80年代後半のビルダーと現在のビルダーのサイズを比較してほしい。つまり違いはステロイドの量ではなく、成長ホルモン、インシュリン等である。大量投与しても必ずしも量に比例して筋発達が起こるわけではないのである。テストステロンは他のステロイドとも相性がよく、いろいろな組み合わせ(スタック)が考えられる。テストステロン500mg/week、デカ200mg/week,ダイアナボール15-25mg/dayのスタックで競異的な筋発達が可能であろう。ダイアナボールの代わりにアナドロール、デカの代わりにプリモボランを使うのも良い。
副作用は強く、体内のテストステロンの製造に多大な影響を与えるのでHCGやクロミッドで睾丸の機能回復を維持する必要がある。また容易にアロマタイズしやすく、女性化乳房を防ぐためにノルバテクスは必要であろう。個人差もあり1000mg/week使ってもアロマタイズしにくい人もいる。そしてDHT対策(ニキビ、脱毛、前立腺肥大)
としてプロスカーを摂ることも必要だ。テストステロンにはさまざまなエステルがついたものがあり、それぞれ滞留期間に違いがある。代表的なものはtest-propionate(プロピオネイト)、滞留期間は2-3日間、test-cypionate(サイピオネイト)が2週間、test-enanthate(エナンセート)が2週間となっている。どれが優れているかというのは一概には判断は難しい。好みや目的により使い分けている人もいるうだ。
使用量 250mg-750mg/週
Comments