ASが体内に入ると細胞のレセプターと反応しさまざまな作用が起こる。もちろん筋肉にもあるが、脳にもある、細胞全てにある。よくステロイドにより攻撃的になるというがこれは脳のレセプターと結合した結果あろう。ステロイドの副作用はマスコミ報道によりステロイドの種類より、一般に知られている傾向があると思う。具体的に列挙すると、肝機能、腎臓障害、心臓疾患、高血圧。また肝臓、前立腺のガン。そして、ニキビ、性欲の亢進、性欲の減退(インポテンツ)、不眠(睡眠障害)、脱毛(はげ)、女性化乳房、精神障害(うつ等)等。これでもかというくらい病気のオンパレードである。
このような副作用は作用の強いステロイドを使えばより顕著である。例えば、強力なテストステロンやアナドロールである。某ビルダーは「アナドロール1錠飲んで正常でいられる人がいたら教えてほしい」と言っている。とりわけ副作用で目に見えるものはニキビ、はげ、女性化乳房である。原因として考えられるのはDHTとアロマタイズである。
DHT
DHT(ジビドロテストステロン)。これは体内に入ったテストステロンが変換されてできる物質である。テストステロンよりも10倍は男性化作用が強い。これによりニキビ、はげ、また前立腺肥大、前立腺ガンを引き起こす。これを防ぐにはProscarという薬剤を取れば変換率を強力に減少させる効果がある。
アロマタイズ 体内にテストステロンが過剰になるとあろうことか女性ホルモンに変換される。驚くこと無かれ、男性ホルモン (テストステロン)と女性ホルモンは化学的に非常に似ているのである。女性ホルモンが増えれば、水分、脂肪が体に蓄租されるだけでなく乳房も膨らんでくる。初期の段階ならノルバテクス(抗エストロゲン剤)の服用で回避できるがかなり大きくなると外科手術しか方法は無い。女性化乳房というのは誰でももっとも避けたい副作用であろう。
簡単ではあるが副作用とその主な原因を述べたが全ての人間が同じ副作用を経験するわけでもなく、またあったとしても程度も千差万別である。
これはその人本来のホルモンの状態、体質に起因する。アルコールについて考えてみれば解り易いであろう。コップー杯の日本酒でめちゃくちゃに酔うどころか致死量に到る人もいる。対してなんともない輩もいる。ステロイドも同様に同じ量であっても作用の違いがある。しかしこちらはホルモンであるのでかなり複雑である。ホルモンは非常に微妙なある一定のバランスで体内に存在している。バランスが崩れれば元に戻すようにする。(平衡)
例えば、シーソーのようなものである。外部から男性ホルモンを投与し、正常値を超えれば体がバランスを保つため過剰なものは女性ホルモンに変換したり、また自身の男性ホルモンの製造をストップして量を調節しようとする。
そして一度崩れたホルモンバランスは正常に回復するのに非常に時間がかかりこのためにさまざまな副作用が出てくるのである。
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