アナボリックステロイドの歴史について多々あちこちで記述があるので今更誰々が男性ホルモンを発見してと言うつもりはない。簡単に要約すれば古来から男らしさには睾丸に秘密があると人々は認識していた。これは正解で睾丸で男性ホルモンであるテストステロンが製造されている。そしてテストステロンを発見し、1930年代には人工で合成出来るようになった。ナチスでは兵士を強くするために使用していたとかヒトラー自身も使用していたなど噂がある。1950年代、60年代に現在あるASのほとんど全てが開発されている。基本的に男性ホルモンを元にさまざまな種類の医薬品が開発された。(一部例外はある)
ASは40、50年前とはっきりいって古い薬であり、製薬会社もたいした利益にならないので新たな種類のASの開発をするところは無いようだ。30、40年前に出尽くした感もあり病気の治療には事足りるということであろう。
スポーツ選手の競技能力向上のために使用を始めたのも開発時期とほぼ同時であり70年代には一般人にも使用する人々があらわれている。しかし効果的な使用量や副作用の知識は普及せず、ただ単に魔法の薬としてASの絶大な効果のみが注目されその結果ひどい副作用に悩まされたり廃人同様になる人も数多く出現した。
アナボリック・ステロイドといえば、何を連想するであろうか? 一般的には副作用と競技上における不公平あるいはモラルに重点がおかれる議論が多いのが事実である。副作用が強いということは作用もそれだけ強いという当たり前のことであり、副作用すなわち体を蝕むだけの作用ならばだれも使用しな いのも当たり前である。次に不公平と言うのは使う者と使わない者との差が顕著であるということであり、つまりそれだけ効果があるということである。すなわち副作用と不公平の裏にはそれだけASが効果があるということを示していることになる。実際に筋力、筋量、体重のアップには絶大な効果かおるのは紛れも無く事実である。
現在、さまざまなサプリメントが氾濫している。これは人々の欲求、早く筋肉を大きく、強くしたいと言うニーズに対してメーカー側か次々に新商品を出している結果である。プロテイン、アミノ酸、ビタミン剤、クレアチンは言うまでもなくここ数年はプロホルモンが脚光を浴びている。競技ビルダーだけでなく一般トレーニーも月にいくらかははこれらのサプリメントに費やしているはずである。果たして費用に見合う効果は出ているであろうか?
プロやトップアマチュアが短期間に4-5kg筋肉のみでサイズアップすることが多々ある。確かにトップレベルの選手は素質もあり、いろんな意味で最高のトレーニング環境にある。 プロほどにではないが短期間で一般トレーニーレペルでも的確なトレーニング、栄養摂取、休息が可能な環境にあれば劇的な変化は可能であろうか。いったいプロ、トップアマチュアは何を使っているのであろうか。
事実はずばりドラッグである。敢えてステロイドと言わずドラッグという言葉を使ったのには意味がある。 現在はステロイドのみでは発達が不可能なレベルまで到達しているのである。成長ホルモン、インシュリン、等をステロイドと組み合わせてほぼ1年間使用しているのである。これを証明するのは簡単である。70年代、いや80年代後半から90年代前半のプロビルダーと現在のトップレベルの選手のサイズを比べてほしい。93年に7Kg増量して117kgでオリンピアに輝いたドリアンイーツは当時としては驚異的なサイズであった。しかし現在はサイズで目立つことはまずないであろう。イーツはすでに成長ホルモンを使用していたようだが、現在では使用量の増加と使用期間 がかなり伸ぴているはずである。このことから現在ステロイドのみでは驚異的なサイズを獲得することは非常に難しいのである。
オリンピアレベルのサイズを獲得することは難しいが、誰でもASを使用することによりフィジークの向上が可能であり強く大きくなれるのは間違いない。
ただしステロイドはサプリメントではなく医薬品であり効果的に使わなければ副作用を垂れ流すだけで危険である。
本書を参考に効果的に安全に使用していただきたい。
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