ステロイドのセレクトは個人の目的が重要あることは先に述べた。ここではどのようにスタックをするのか基本を述べていく。有名なダイアナボールとデカのスタックを繰り返していても、効果がなくなるわけではないが、体も次第に慣れて行く事が予想できる。トレーニングサイクル同様にステロイドサイクルもチェンジして刺激を変えて行くのがベターであろう。
ステロイドの組み合わせ
スタックは、経口剤+経口剤、経口剤+注射剤、注射剤+注射剤の3パターンがある。常に2種類というわけではなく、2–4種類ぐらいと好みに応じてセレクトすれば良いわけである。実際は経口剤のみのスタックはお薦めできない。やはり副作用が強くなると思われるからだ。必ずしも安全とは言えないが、副作用を少なくするには注射剤のみのスタックがベターであろう。
A. 注射剤
テストステロンエステル
サスタノン(4種類のテストステロンエステル)
テストステロンサスペンション(水溶性)
ナンドロロン系(ナンドロロンデカノエイトが代表)
プリモボランデポー
トレンボロン
ウィンストールV (スタノゾロール)
B. 経口剤
アナドロール
ダイアナボール
スタノゾロール
プリモボラン
ハロテスチン
C. ペプチドホルモン
HGH(成長ホルモン)
IGF-1(インスリン様成長因子)
インスリン
上記のA,B,Cの組み合わせによりいろいろなスタックが考えられる。 Cのみ単独で用いることはなく、A,Bと組み合わせて使うのが普通であり効果的である。特にCの中で成長ホルモンはインスリンと併用しなければ効果は薄いと使用者は述べいる。だが、インシュリンは単独でステロイドスタックに組み合わせても効果があり、コカインのように多用していると発言しているひともいる。もっともコカインのようにとは意味がわからないのだが。
スタックはA,B,Cから一つずつセレクトというものではなく、Aの中で2,3種類スタックし、B,Cはセレクトしない場合もある。
それぞれ組み合わせわせの良し悪しがある。例えばAの中でテストステロン系の組み合わせはあまり効果がない。 サスタノンをベースにしている上で他のテストステロンエステルとスタ ックや水溶性のテストサスペンションとのスタックである。なぜかといえばエステルの違い、エステルの有無があるが、テストステロンには変わりがないからだ。効果、作用の異なるものを組み合わせるべきだ。Bの中で、アナドロールとダイアナボールのスタックも最強スタックには決してならない。作用が似ているので副作用が増大するだけで、単独で用いるか、例えば3週間はアナドロール、次の3週間はダイアナボールとスイッチするほうが良い。またこんな馬鹿者はいないと思うが、プリモボランデポー(注射剤) とプリモボラン(錠剤)のスタックやスタノゾロール(注射剤)とスタノゾロール(錠剤)とのスタックは意味がないのはいうまでもないであろう。
ナンドロンデカノエイト VS テストステロン
ナンドロロンデカノエイトとテストステロンのどちらをスタックのベースにするかはステロイドユーザーの中でも意見が分かれるし、これから使用を考える人も迷うことだと思う。いずれもどのステロイドとも相性が良い共通点がある。両方とも使用するのも効果的なスタックだが、さまざまな理由で片一方しかセレクトできない場合もある。例えば、女性の場合はテストステロンを使えば男性以上に強力に作用して筋力、筋量アップが可能だが、副作用(声変わり、クリトリスの肥大、多毛症、月経の不順または停止、乳房の縮小)が起こりやすく、しかも一度起これば改善は非常に難しいものだ。医療現場で女性が男性への性転換にテストステロンを処方されているので、それだけ強力なのである。このため通常女性は、テストステロンは使わず、デカを使用する人が多い。かと言ってデカが完全にアンドロゲニック作用がゼロというわけにはならないのである。同様にプリモボラン、スタノゾロールもである。残念ながらアンドロゲニック作用がゼロのステロイドは存在しない。女性の場合はステロイドを使用する場合は男性以上に注意が必要である。
次に体質的にアロマタイズしやすい人、10代後半から20代前半のテストステロンが高い人は使うべきではないというより使えないであろう。というのはすぐに女性化乳房の兆候が出てくるからである。外部からテストステロンを補充してもどんどん女性ホルモンに変換されては意味がないからである。ノルバテクスを併用しなければ使えないようであれば、あまり体にあっていないと判断しても良いだろう。10代でのステロイド使用は賛否両論あるが、欧米では使用者はかなり多いと思われる。というのは 20代前半で10年以上もハードなトレーニングを積まなければ獲得できないような体のビルダーは多い。当然ステロイドを4-5年以上は使用してトレーニングをしたことが推測できる。ナチュラルならよほど素質があるとはいっても毎日牛を一頭は食べ続けなければ無理だろう 。
テストステロンをベースにするのがベターな人はもともとテストステロンレベルが低い人や、性欲が低下した人、朝立ちがほとんどない人である。プロと違い、食って寝るだけの生活ではないので、仕事のストレスなどの影響でテストステロンのレベルが低くなることは多い。このため古来より、精力剤がもてはやされているのである。低テストステロンの状態だとトレーニングをいくら続けても、数年間も使用重量、体重に全く変化がないプラトーに陥る。こういう人に限ってトレーニングの服装も変化なしと言う場合が多い。ドリアンに「おーぃ。生きているのか? 」といって肩を揺さぶら れるのが落ちだ。また既婚者はテストレベルの向上により夫婦仲が改善される効果も期待できるかもしれない。年齢でいえば、20代後半以上はテストステロンがベターと思われる。ただし、もともと性欲が強い人はサスタノン 1アンプルぐらいで、「歩く生殖器」になるので注意が必要である。
テストステロンは効果は高いが、副作用はその分きつい。WARの中でも、ミスターオリンピアでもテストステロンは良く作用するとしており、ステロイドビギナーが手を出すべきではないと述べている。デカやプリモをメインとしたサイクルを何サイクルか経験して、効果が薄れてきたら使うことを薦めている
デカ、テストステロンはどちらもそれぞれ特徴があるので、いろいろな状況を把握してセレクトするほうが良いであろう。両者がステロイドスタックのベースとなるステロイドであることは間違いないようだ。
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